特集 助産婦に必要な薬の知識
(2)新生児とくすり
新生児・未熟児のくすり
岡田 太皓
1
1日本大学医学部小児科
pp.10-18
発行日 1969年10月1日
Published Date 1969/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203811
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新生児および未熟児に対して,薬を与える際に,薬の効果を左右する主な因子は,年長児および成人の場合と同じく体液内または細胞内の薬の濃度と,その薬に対する病原体または細胞の感受性であることに変りない.そして,薬の体液内または細胞内における濃度は,薬の投与量,吸収および排泄量,体の大きさ,体内の分布などにより決定される.
さらに,新生児とくに未熟児では,新生児期以後の乳児にくらべて肝および腎が未熟であるから,薬の解毒および排泄に一層注意しなければならない.ゆえに,新生児・未熟児に投与する薬の用量を決めることは,年長児の場合にくらべて困難を感ずるものである.しかし,われわれ新生児の医療に携わるものは,新生児とくに未熟児の生命を薬の投与によって救わねばならない緊急の場にしばしば遭遇するものであり,どうしても新生児・未熟児の薬の用量を知っていなければならない.そこで,以下に,新生児・未熟児の薬の投与量を決める際に注意しなければならない事項,薬の用量および副作用について述べる.
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