厚生科学研究・分担課題 母子を主体とした産科および小児病棟の位置・施設・設備および看護管理に関する研究
第1部 産科病棟に関する研究
我妻 堯
1
1愛育病院産婦人科
pp.10-30
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203786
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近年,わが国で施設分娩が激増しており,そのなかでも病院分娩数が年々増加している.「病院」を大きく3つに分類すると,「総合病院」「母子を主体とした病院」「その他の病院」にわけることができる.「母子を主体とした病院」では総合病院に比して産科と小児科に重点がおかれているために,総合病院とは異なった特徴を有することが推測される.
すなわち,他科疾患と妊娠との合併症などについての取扱いには多少の不都合もあるが,本来,健康体である妊産褥婦および新生児を他科の疾病者から物理的にきりはなすことが可能である.総合病院のように産科が一診療科としての存在ではないから,とくに産科,新生児科,小児科に重点をおいて,母子の保健指導,教育をおこなうことが可能と推測される.また助産,妊産褥婦の看護新生児保育,小児保健指導なども,総合病院におけるよりも能率的に実行されることが期待できる.建築構造上からも,分娩室,手術室,褥室,新生児室などの配置を看護能率の向上に資するように配慮することも容易であろう.
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