特集 夜間の看護
夜間特殊看護の実際
産科病棟における夜間の看護
伊藤 文乃
1
1関東逓信病院産科
pp.31-34
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202978
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はじめに
最近,助産婦希望者の少ないことが問題にされているようです。看護学校を卒業して進学するものの3/4位は夜勤のない保健婦になることを望んで,保健婦学校へ入学してしまうとのことで,助産婦は若い人たちに嫌われているようです。
「予定は予定にして決定にあらず」というコトバの通り,必ずしも予定日に出産しない妊婦を相手にする助産婦は,いつ産婦が入院してくるかもわからず,いつ分娩が始まるかもわからず,仕事の予定をたてることもできず,昼夜をわかたず出産という婦人の一生や,その家族にとって重大なできごとに対して,常に精神を緊張させていなければなりませんから,たしかに大変なことです。その上,近年助産婦の仕事の内容は単に分娩介助だけにとどまらず,広く母子保健の管理や,指導,教育なども行なうべきことが強調されています。ことに産科病棟の夜勤では,全分娩のおよそ60%位が夜間に起こることからもわかるように,他の病棟の夜勤とはまったくちがって,多忙な動務に終始されねばなりません。
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