特集 母と子の血液型
母と子の血液型
前田 一雄
1
1鳥取大学医学部産婦人科
pp.10-17
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203632
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はじめに
新生児のいろいろの疾患のなかで,最近とくに重要に考えられているものに新生児の重症黄疸がある.正常新生児でも軽い黄疸を呈することがあるのはよく知られているが,生理的黄疸と名づけられているような範囲では回復も早く,新生児の全身状態を悪化させることもなく,また,その後の発育に障害をおよぼすことはない.
しかし,早期から黄疸が出現して重症になり,イクテロメータ値が急上昇するような場合には全身状態が悪化し,神経性の症状が現われ,非常に重症であると痙れんを起こして死亡するようなものもある。幸いに重症黄疸から回復できた場合でも,その後の発育が障害され,とくに運動機能が異常になり,やがて脳性小児麻痺の症状がはっきり現われてきて,不幸な一生になることがある.
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