新生児・乳児の対症看護シリーズ 正常乳児の看護
乳児におこりやすい病気
沢田 俊一郎
1,2
1水戸赤十字病院小児科
2日赤茨城県支部乳児院
pp.18-22
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203435
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1.乳児期の病気の特徴
わが国の乳児死亡率が近年著しく低下し,昭和40年には出生1,000に対して18.5という数字を示して,世界でもトップ・グループに属する水準に達したことは喜ばしい限りです(第1図参照).これは乳児保健に従事する人々の努力の賜物といってよいでしょうが,国内でも地域的にはまだまだ死亡率の高い県もあり,またさらに乳児の健康保持のために検討すべき問題も少なくないので,お互いに油断なく努めたいと思います.
はじめに乳児がどのような病気で死亡しやすいかを知っておいていただきたいので,死亡順位を第1表に示しました.昔から乳児の三大死因といわれたなかで,肺炎・腸炎は少なくはなりましたがまだ主要な死因となっています.また先天性弱質は依然として第1の死因を続けています.表のなかで生まれつきの病気である先天性弱質・先天奇形・出生時の損傷・先天性心疾患を合計すると53.6%で,これは現在の医学ではなかなかむずかしい,ある程度しかたのない病気といえますが,その他の4割以上の病気は努力次第ではさらに救いうるものなのですから,乳児死亡率はもっと低下させられるはずです.ことに3%の乳児が不慮の事故で死んでいますが,これこそもっぱら保育者に責任のある死亡で注意しなければなりません.
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