対症看護講座 消化器症状
吐気・嘔吐・食欲異常
鈴村 正勝
1
,
久保田 忍
1
1日本医科大学
pp.10-13
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203178
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はじめに
一般に食物摂取器管である消化器系統に障害のある場合は,人間の生命推持に重大な影響があるものである.ことに妊婦においては消化器系統の疾患の有無のみならず,妊娠という現象のために,消化器系統への影響も強くなり,そのためにいろいろの症状を呈する場合がある.中には食物摂取がまったく不可能となり,直接母体の生命をもおびやかすようなこともある.ゆえに妊婦においては消化器系における症状に対しては,妊娠を継続するために母体に対する細心の注意と適切な看護,処置を必要とするものである.次に一般の消化器症状をあげ,あわせて妊娠による場合をも述べてみよう.しかし妊娠による消化器系の変化は主として機能的であって器質的なものは少ない.
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