連載 母と子の試聴室
マーチ
横山 太郎
pp.47
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203116
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幼児たちは全く本能的といってもいいぐらいに行進曲を好むものです.単純明瞭で力強いリズム,ダイナミックで明るい曲調といったものが,そのまま手をふって歩くという動作に結びつけて表現できるからなのでしよう.
同じことが従来から子どもたちに親しまれている童謡についてもいうことができます.たとえば「おててつないで」,「兎と亀」,「桃太郎」,「今は山中」,「結んでひらいて」などといった,いわば童謡の決定版ともいうべき歌は,ほとんどマーチのリズムでつくられていますし,また今日のようにジャズやラテン音楽のリズムを聞いて育っている現代ッ子たちですから「口笛吹いて」,「おお牧場はみどり」,「ゆかいに歩けば」,「ドレミの歌」のようなマーチテンポの歌をやっぱり好んで歌っています.
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