特集 褥室・新生児室における助産婦の業務
母子同室制を試みて
河合 嘉子
1
1国立大阪病院産婦人科病棟
pp.32-34
発行日 1965年12月1日
Published Date 1965/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203092
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はじめに
現在,われわれが行なっている新生児の取扱い方法は母子別室(異室)制であるが,これは戦後のわが国における一般的な傾向である.そういう母子別室制の長所として考えられることは,
(1)細菌感染に対して抵抗力のない新生児を,清潔な方法で取扱うことができる.
(2)観察が容易である.
(3)母体の回復をはかる.
一方,母子別室制の形態の中で直面する問題は,
(1)新生児における院内感染の問題がある.前記(1)と矛盾するようであるが,たまたま感染が起こった場合,他の新生児にも感染するおそれがある.
(2)授乳時間に融通性がないため,いわゆる新生児の自己調節哺乳ができない.
(3)母親が新生児の生理的現象,取扱いを十分理解できないままで退院する.
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