母子センターだより
群馬県笠懸村母子健康センターを見学して
原 ヱミ子
1
1都立保健婦助産婦学院助産婦科
pp.24-26
発行日 1961年6月1日
Published Date 1961/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202136
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私達の見学した母子健康センターは,関東平野の最北群馬県笠懸村母子健康センターである.此処は赤城山の美しい裾野から平野への移行部に位置し,地域的には平坦な恵まれた土地である.この村の主産業は農業と養蚕が主体となり畜産も行われ養蚕は主に婦人の手に任されている.村の総面積は18.4平方粁,戸数1,408戸,人口8,700人で1戸当り6.18人という状態でこの村の財政は割合裕福の様であり,他村より先にセンター設置が叶つたのも村内にある阿左美沼の競艇より上がる収益が大きな役割をなした様に思う.
東京より約3時間,しばし都会の雑沓を後に青青とした桑畑と黄金色にみのつた稲穂の中を一路岩宿の駅へと向う.岩宿駅正面から整然としたアスファルトの広い国道がこの村の中心を貫き,母子健康センター,役場へと通じている.この美しい道に誘導されつつ5分程行く中に桑畑の中にポツンと見える小じんまりした白壁のセンターが秋の日をうけて,私達を待ち受けていた.村の助産婦,保健婦両姉に案内された講堂は,木の香も真新しくまるでこの村の象徴であるかの様に美しくみがかれている,ここで村役場の人にセンターの生立ちについてのお話を伺う.
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