報告・資料 学会の話題
第2回新生児研究会
九嶋 勝司
1
1東北大産婦人科
pp.51-52
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202834
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新生児学に関する関心が急速に高まり,日本産婦人科学会の中に新生児委員会が生また.その事業の一つとして研究会が公開の形で持たれるようになった.小児科側に未熟児研究会があったが,非公開のものであり,公開の研究会は,この新生児研究会がはじめてであった.そのためか,第1回から非常に盛況で,500名に余る参加者があった.今回の第2回は7月12日に開かれたが,600名を越える参会者で,産科医以外の参加者も多く,予想外の出席者に驚かされた.
この研究会では2つのシンポジウムが持たれた.その1つは新生児栄養問題である.新生児,乳児の理想乳は人乳であり,母乳である,ということは今も昔も変わらない.しかし,この母乳をどのように与えればよいのかということについては案外と検討されていない.大阪市大小児科の高井俊夫教授は,これを新生児代謝の面から論じられたが,これは非常に大切なことであると思う.今まで研究方法や微量測定法のために出来なかったことも,昨今では次第に可能になって来て,大人では想像し得ないような微量の材料でも種々のことが判るようになって来たし,今後,新生児代謝の研究は急速にのびることであろう.橋口講師,中島講師などから,新生児や未熟児の人乳栄養が強調され,宮崎講師などは母乳分泌を促がす必要上,努めて人工栄養を差控える方針さえ打出された.
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