Medical Box
慢性関節リウマチと女性
佐々木 智也
1
1東京大学医学部付属病院物療内科
pp.41
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202664
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有史以前からすでにあり,人類だけがかかる業病である慢性関節リウマチは,じつは女性の病気である.慢性関節リウマチ(英語をそのまま直訳すると——リウマチ様関節炎)患者の男女比は,どの国でもほぼ1:3前後で女性に多く,しかも女性は重症になりやすくて肢体不自由者の発生頻度も高い.さて,男女両性に確実に発病の差がある場合に,もっとも考えやすいその理由は 1)性染色体——慢性関節リウマチを発病させる素因に関連した遺伝因子が性染色体に結合しているのか? 2)性器——アレルギー性疾患であるこの病気では,しばしば病巣感染の場が問題となるが,女性々器がその場となりやすいのではないのか? 3)ホルモン——女性に固有なホルモンが関係しているのではないか? 4)妊娠・分娩——男性にはないこの負担によるめではないか?の4項目である.
1)の性染色体と慢性関節リウマチの遣伝的素因については,多数のリウマチ患者の家系調査を行なって,性染色体に含まれる他の因子との関連において分析されるべきもので,可能性はあるが実証はされてない.
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