共同研究
助産婦学生の研究をよんで
伊藤 隆子
pp.52
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202527
- 有料閲覧
- 文献概要
助産婦学校の学生の協同研究に,私も時々出席して若い人達のものの見方,考え方について時代の流れを感じていた.
講師によって教えられる理論と実習施設で学ぶ臨床実習に加えて,学生がみずからテーマを選び,自主的な活動をくり返しながら,研究し,調査し,そして批判して行く学習方法は,やがてこの人達が社会に出てから多くの効果をもたらせたであろうと心強く思っている.この「母親学級のあり方」にしても,計画された講義や実習の間に,多くのものをもとめて活動が続けられたであろうことが想像される.この研究方法や内容の一つ一つに私は批判や追加を加えようと思わないし,また,私にそれだけの権利も与えられていない.唯,この研究を通して,今はすでに遠い思い出になった「母親学級指導者講習会」の頃を考えている.物の不自由な時代のことで教材に用いる布片なども,講師や私達でもちよって切ったり縫ったりしたものであった.それから考えれば,母性保護も大きな進歩をとげたものである.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.