手紙
「助産婦教育への批判」をよんで,他
岩間 秋江
1
1東北大学医学部助産婦学校
pp.41-43
発行日 1953年5月1日
Published Date 1953/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200351
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助産婦雑誌3月号の助産婦教育への批判の紀事の中で,和歌山市森下きみゑ氏の意見について,都の意見をのべ皆様の御批判をお願いしたいと思います。
「助産婦は母子の生命を委託される重職で,医業の一部であるから近き将来一層レベルを上げ,産科女医とすべきである。但し農山漁村の僻地従業者のため程度低き原地助産婦制度を認むべきだ」という意見であります。が私は現在無医村無助産婦村にて,保健婦として勤務しながら助産婦としても開業して業務にあたつている者です。森下氏の助産婦は医業の一部であるから,近き将来産科医とすべきという御意見はわかりますが,農山漁村の僻地の助産婦は程度を低くさせるというお考えは,私には少しも理解できません。山間地に実際従事している助産婦として最も苦しむことは,技術の未熟です。都市などは病院もあり,専門技術者(産科医)も多いので異常分娩でも早期に手当が出来,生命も保つことはできます。農山漁村こそすぐれた技術の助産婦が産科医の役までになわなければならないのではないでしようか……。
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