現代のカルテ
韓国政変と苦境に立つ池田内閣,他
太田 辰夫
pp.40
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202522
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民主共和党準備委員長の金氏と,大平外相とのあいだに日韓交渉の大筋が決定したと報ぜられたのは,昨年の暮であった.ところが金氏が2月20日に朴最高会議議長とともに政界不出馬を声明すると,前内閣の復活となり,池田内閣は相手を失なったかたちとなった.
李ラインが一方的に宣言されたのは昭和27年であったが,それから日本漁船は,200余隻が捕えられた.李承晩は,個人的な排日感情もあって,徹底した反日政策をとり,それは張勉内閣にまで持越された.これが,軍事革命政権の成立とともに180度の転換となって,10年ぶりに日韓妥結が実現するかに見えた.
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