特集 新生児と未熟児の問題
対談
新生児を守るために
木下 正一
1
,
斎藤 文雄
2
1賛育会病院
2聖路加国際病院小児科
pp.10-17
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202301
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□新生児の領域は産科か小児科か
木下 きようは斎藤先生からいろいろ新生児のことについてお話しを伺わせていただいて,私も新生児についてもう少し勉強したいと,こう思つて実は私からこういう.企てを注文したわけです.
一つ昔からのおなじみに免じましてざつくばらんにいろいろお話しをさせていただきたいと思うのです.新生児というのは小児科と産科との境界領域にある.それで境界という言葉を考えると,そうすると領土というようなことが考えられる.今まではなるほどそうだつたと思うのです,それで産科の方では新生児は俺の領分だというようなことがある.小児科の先生方になかなか診ていただこうとしない.そうじやなくて,赤ん坊は母親たちのもので,われわれはその赤ん坊を本当に育てるためには産科医者ばかりじやなく,小児科医者ばかりじやない。私の考えでは耳鼻科の先生も,精神科の先生も,整形外科の先生も,外科の先生も,あらゆる方面の先生方が新生児という非常に特殊な,人生の中で非常に変わつたある時期を画している,人生の第一歩の大切な生活を送る新生児の健康の問題をみんなでもつて守つていこうということに考えが転換しなくちやならない。今その時期にきているのじやないかと思いまして,その点についてまず先生のご意見を伺つてみたいと思うのです.
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