講座 妊娠と他科疾患・3
泌尿器疾患
東福寺 英之
1
1慶応病院泌尿器科
pp.47-49
発行日 1962年3月1日
Published Date 1962/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202296
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はしがき
妊婦は一般の婦人が罹患するあらゆる疾病に対しても同様常に罹患する機会があるものであるが,大切なことは妊娠という特殊な状態がその疾病を悪化させるだろうか,あるいは潜伏状態を顕症化するであろうか,また逆にその疾患が妊娠を流産あるいは早産に導くだろうか,また胎児に悪影響をおよぼすだろうか,正常分娩に如何なる影響が予測されるだろうかというように,きわめて重要な問題をはらむことになるであろう.
妊娠子宮が増大するにつれ,そのすぐ隣に接している泌尿器系はきわめて密接な関係をもつているため,少なからず影響を被るもので,妊婦を主として診療する者はこの方面に常に注意を向けていなければならない.そして尿路感染症は,とくにそれが重篤とならないうちに早期発見,さらに治療し,分娩に支障のないように心がけなければならない.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.