アンケート
新生児は小児科に移さるべきか/新生児は小児科に移さるべきか
瀬谷 美子
1
1日赤産院
pp.48,53
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202126
- 有料閲覧
- 文献概要
どういう訳か,よくこの事が問題にされるようだ.新生児を定義して,胎内より初めて外界に出て,あらゆる新らしい刺激,新らしい生活態勢に順応して行く時期の児という.ならば新生児は,何をわれわれ周囲の者に要求しているのであろうか.自ら持ち備えて来た生命力を,そして能力を精一杯発揮出来るよう手伝つて欲しいのである.より良き環境.正しく観察する愛の目.本能的欲求に対する温かい看護の手.要求に答える最適任者は誰であろうか.母親であり,その家族である.が種々の新生児期に経るべき生理的変化の中には,臍の処置のように,医療行為を必要とするものもあり,又母親達は,新生児保育の要点を理解する時期でもある.こうした意味からも,私は従来通り,開業助産婦は胎内に宿つて間もなく,慈しみ見守つた児を出生させ,その一瞬から母と子の持つ環境を最大に活用し,看護,指導を行なう自然さ.又多くの病産院で行なわれているように,産科において母親の日立ち,乳汁の分泌状態等を助長し乍ら,新生児をその母親に順応させ児の要求に母親を努力させ,看護しつつ育児を感化させる自然さを尊びたいと思う.
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.