研究
妊娠中の乳房の取扱いについて
鈴木 八重子
1
1国立東京第一病院産科
pp.10-15
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202115
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はじめに
生れて間もない赤ちやんが,やがて乳房をもとめてその可愛い頭を左右に動かすとき,母親が乳房をふくませて授乳をする姿は,極く自然な,しかも美しい平和な光景以外の何物でもないと存じます.人工栄養の研究が進んで,粉乳の母乳化が行われ,何かの理由で母乳栄養の出来ない場合でも安心な時代が参りましたが,それでも「粉乳の母乳化」という言葉にも明らかな様に,母乳はやはり赤ちやんにとつて最も理想的な食物であることは否定出来ません.
この母乳栄養が円滑に行われる為の準備としての妊娠中の乳房の手当を中心に,普段から考えていることなどを述べてみたいと思います.
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