ローカルニユース
医師・助産婦にかからぬ妊婦たち—高知県本山保健所の実態調査/助産婦が共同で医院—医者に対抗して共倒れ防ぐ
pp.22,47
発行日 1960年9月1日
Published Date 1960/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201980
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産院・施設に恵まれた都会やその近郊では,とにかくも出産の際にそれらを利用し,また医師や助産婦にかかるのが通例であるが,地方の,「僻地」と呼ばれる地域では,それが,予想以上に困難な事になつている.高知県本山保健所が行なつた実態調査によれば,医師・助産婦によらず出産するケースは全出生数の33%に及ぶという.従つて,保健指導の不足と不馴れより考えられる未熟児・乳幼児の死亡率に深刻な影響を与えている事は全く当然であつて,母性管理の徹底化と衛生指導の万全が強く要望されている.
医療施設の少いこと,地理的に不便なこと,経済的に恵まれないこと「僻地」の宿命といえるこの3つの特徴がそのまま,上の状態に結びついている点で,深刻な問題を当局になげかけたものといえよう.
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