読者の声
助産婦の自覚
内田 芳子
1
1聖ルカ病院産科
pp.33-34
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201945
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先月の本誌に竹内繁喜先生が,「助産婦についていろいろ思いめぐらすこと.」と題して書かれていたのを読んだ方が,沢山いる事と思います.日々身近に活動する助産婦を,暖かい目で御覧になり,我が娘を育てるように,私共助産婦の成長を願い,これが出来たら次にこれをと身につく技を一つ一つ習わせる親心が満ちているようでした.もしも,数の不足な助産婦を必要に迫られて増す時にも現在の水準の助産婦教育を維持しようと願つて下さる事は,何と力強いことでしよう.この励しに答えて,私達助産婦は充分な知識と技術を身につけ,良心的な仕事をやつて行けば必ずその要望に沿い,大きな信用と更に大きい期待を負うことが出来ましよう.しかし,私が本月自覚と云う題で日頃耳にした中に,ちよつと耳障りな事がありましたので,一度,皆様に聞いていただいて反省しなければならない点があるのではないかと思います.或る病院で助産婦が非常に威張つていて,助産婦は助産を行い,看護婦はその介助者と云わんばかりな態度をとると云う事です.これはどう考えるか,もちろん私は否.そんな事はないと云い切りたい.もしもあつたとすれば,周囲の人々の誤解だ.と云いたいと思います.助産婦とは,今更定義づける迄もない事です.病院の助産婦は看護婦としての業務を持ち,更に助産の任に当つています.がしかし,その看護婦と同様の業務内容とは云え,それは遙かに産婦人科看護としては内容の豊かなものであるはずです.
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