講座
低血圧症について
上田 泰
1
1慈恵会医科大学
pp.21-23
発行日 1959年6月1日
Published Date 1959/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201696
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一般によく知られている事であるが,血圧(正しくは動脈血圧)は主に心臓の拍出力,循環血液量,末梢血管の抵抗及び血液粘稠度などによつて左右される.血圧特に最高血圧(収縮期血圧)が正常の範囲を逸脱する場合に,これを「病的な血圧」と考える.高い場合が高血圧であり,低い場合が低血圧である.
血圧が正常以下の値を持続する場合にこれを低血圧症と言う.通常は最高血圧(収縮期圧)並びに最低血圧(拡張期圧)が正常値以下に低下し続ける場合に用いられる.以下この低血圧症について少しく解説を試みる.
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