研究
胎盤残留による出血の1例
伊藤 ふみの
1
1東京都大久保病院産婦人科
pp.10-12
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201654
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医学書院から出血についてなにか書くようにとの依頼を受けましたが,出血と一口に申しましてもいろいろあります.最近私共のところで遭遇いたしました胎盤残留による出血について述べて見たいと思います.
胎盤の一部残留はその原因として,収縮不全である.これをおこす原因の主なものは1.拙劣なケレーデ氏圧出法によることが最も多く,ために胎盤組織の一部を残留せしめ,この小残片はまた逆に子宮の収縮を不良ならしめるのみならず,子宮に麻痺的に作用することも考えられます.2.次に胎盤組織に妊娠中毒性の変化をおこしているものは既知のように,子宮に収縮不全をおこさしめるものであります.
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