産婦人科こぼれ話
手術する人される人
中山 安
1
1東横病院
pp.54-55
発行日 1958年9月1日
Published Date 1958/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201541
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「先生なんざ,ひとの躯を切るのは大根か菜つ葉を切るようにしか思いませんでしよう」と手術を判断する.素人の手術評,医者観である.そう批評するだろうし,そう考えるかも知れないと思われるふしがないでもない.
「あんた子宮に癌ができているから切りとりましよう」「あんた卵巣におできがあるからちよんぎつておきましよう,ナーニたいした手術じやないですから」とさとしてみるが手術される者にとつては実は大問題なのである.「あのう,お腹切るのですか,割いて切りとるんですか」と,神経は全身をゆすぶる.
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