研究
天ぴ湯使用は是か非か
一色 ヤエ子
pp.10
発行日 1957年11月1日
Published Date 1957/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201364
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近頃私達の地域に於きましても天ぴ利用が随分盛んになつてまいりました.真夏の照りつける太陽は,屋上の水桶の中の水温をぐんぐん上昇させ飲料に風呂に燃料の節約に大きな利益を見せる状態に変つてまいりました.
又地域婦人会等に於いても,こうした事柄を体験発表して燃料節約を数字的に公表しているあり様にて,其の数は次第に増していくのです.自然科学の利用で誠に結構なことと考えさせられますが,これを常時使用していて学問的医学的に人体に害はないものでしようか.私達が分娩介助に参りましてお湯を沸す様に申しますと,天ぴ湯が沸いているから何時でもと申されます.昨年迄はこの様な言葉はききませんでしたのに,今年に成つて非常に多く而もこれ等の使用者は町では中産階級以上の農家に多いので有ります.而し私は新生児の沐浴はかならず水から沸かさせて使用致して,更に一カ月位は沸した湯を使用する様注意致しております.中にはこの結構な湯がなぜいけないかと,質問を受けるわけで有ります.その時には消毒が完全でない,太陽光線は新生児には刺激が強過ぎて身体によくないと申しておきます.
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