新刊紹介
—丸山 博 著—乳児死亡(Ⅱ)—統計の研究
館 稔
1
1人口問題研究所
pp.37
発行日 1957年5月1日
Published Date 1957/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201266
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この本こそわたくしが久しきにわたつて丸山博士に切に期待したところのものである.戦後,世界のdemographyにおいてかつて博士がとられたような理論と方法が,ようやく注目をひくに至つた最近の傾向をみるにつけても,わたくしは,待ちきれない思いであつた.ところが,この本がいよいよ公刊されると聞いてよろこんでいた折柄,博士はわたくしに所感を寄せることを求められた.小児科学に何等専門の知識をもたないわたくしは,おこがましくも,今,この光栄に感激して,つたないながら,よろこびの筆を取ろうとしているのである.
第2次大戦後のdemographyにおいて"先天的死亡〔la mortalité endogène〕"と"後天的死亡〔la mortalité exogène〕"の見地に立つ死亡率の構造的分析が重要視せられるに至つたが,丸山博士の研究を見守つてきたわたくしにとつては,日本において博士がすでに20年前にこれに先鞭をつけていられたことこそ重要と思う.
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