口絵
血液型について
pp.2-4
発行日 1956年5月1日
Published Date 1956/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201045
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血液型は20世紀の始めに,ランドスタイナーによつて発見された。血清と血球とをまぜたときに,ある場含には血球が凝集し,ある場合には凝集しない。此のことから赤血球にある血球凝集原と血清にある血球凝集素とが考えられ,血液の型が明らかにされてきた。ランドスタイナー(ノーベル医学賞受賞)の発見以来,50有余年を経た今日では,血液型の研究は著しく進み,益々複雑になるとともに,神秘なヴェールが次々にはがされていく。抗A血清はA型血球凝集素をもつており,A型及びAB型(各亜型を含めて)赤血球を凝集し,抗B血清はB型血球凝集素をもつており,B型及びAB型(各亜型を含めて)赤血球を凝集する。抗A血清と抗B血清とがあればABO式血液型を判定することが出来る。
抗A及び抗B血清は国立予防衛生研究所で検定され,合格した製剤が市販されている。血液型がAだということは,その人の赤血球がA型血球凝集原をもつており,抗A血清で凝集されるということである。同様にB型の人の赤血球は抗B血清で凝集され,AB型の人の赤血球は抗A血清でも,抗B血清でも凝集される。0型の人の赤ABO式血液型.血球は抗A血清,抗B血清いずれにも凝集しない。
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