絵で見る免疫学 基礎編 40
血液型抗原(3)―ABO式血液型
高木 淳
1
,
玉井 一
2
1アボットジャパン㈱器機診断薬事業部・営業学術
2栄光病院
pp.328-329
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101378
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ABO 式血液型
ABO式血液型とは,Landsteiner(1900年)が6人の赤血球浮遊液と血清との組み合わせをいろいろ変えて両者を混合し,その凝集を観察して発見したものである.赤血球膜にA型物質を持つ表現型をA型,B型物質を持つ表現型をB型といい,A型の人の血清にはB型物質と反応して赤血球を凝集させる抗体を,B型の人の血清にはA型物質と反応して赤血球を凝集させる抗体を有する.B型の人の血清で赤血球凝集反応を行いそれが凝集(陽性)すればA型,A型の人の血清で赤血球凝集が起こればB型としてよい.B型の人の血清を抗A血清,A型の人のそれを抗B血清と呼ぶ.抗A,抗Bの双方の血清に赤血球が凝集すればAB型,いずれにも凝集しなければO型(凝集ゼロの意味)という.AB型の人の血清はA型,B型の血球を凝集しない.O型の人の血清はA型,B型の血球を凝集する.さらに,O型を正しく証明するためには,抗H抗体の使用が必要である.
ABO式血液型の表現系は,図1に示すように赤血球の抗原の検査の“オモテ試験”と血清中の抗体の検査の“ウラ試験”の両方を用いて判定される.
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