今月の主題 臨床家のための輸血学
輸血の準備
血液型とその検査
小松 文夫
1
1東医歯大輸血部
pp.330-333
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215788
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はじめに
一般に,血液型というときはABO式血液型を指す場合が多いが,ABO式以外にも表1にみるように多種の血液型が発見されている。輸血に際しては,これらの血液型の存在をも考慮して検査をすすめなければならない.
輸血事故の中でもっとも注意しなければならないのは不適合輸血である.不適合輸血を避けるには,まずABO式やRh式D因子(Rho(D))の誤判をしないことである.通常,不適合輸血の原因としては検査結果の記入ミスや交差適合試験用パイロット血液の取り違い,輸血用血液の取り違いなどの事務的なミスによる場合のほうが多いが,ここでは血液型誤判の回避を強調したい,また,ABO式やRho(D)以外の血液型に関する抗体のチェック,すなわち抗体スクリーニングや交差適合試験を的確に実施すべき重要性を強調したい.
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