—木田 文夫—こども部屋／—徳川 夢声・他—親馬鹿読本

　木田文夫博士は，人のよく知つている我が国小児科学会の権威である．ラヂオ新聞その他で，その声をその文章に親しんでいる方々も少くないことと思う．

　本書は，その木田先生が，約3年前から西日本新聞，中部日本新聞，北海道新聞の3紙に1項目づつ連載され，或は朝日，毎日，東京，山陽新聞などに時折掲げられた"子供"ことに「子供を育てること」についての木田博士の随筆を1冊にまとめたものである．短い随筆ばかりだから，読んでいると，木田先生と雑談をしているような，楽しい気分になる．そういう気分を楽しみながら，知らない間に育児についての関心がたかまつてくるし，こちらの間違ったやり方を教えられたり，大切なことに気がついたりする．