講座
未熟兒の哺育の実際
清水 すみ江
1
1日赤産院
pp.13-17
発行日 1954年3月10日
Published Date 1954/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200693
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
未熱兒は身体が小さく,脂肪組織も少ない.皮膚は蒼白ですきとおるばかりで,筋肉薄弱,爪は指の先に達していないことが多い.顔は老人のようなしなびた容貌をしている.呼吸は淺く不整で呼吸をしているか否かわからないことがある.四肢が冷たいチヤノーゼがあることもある.体重に比して体の面績が大きく皮下脂肪が少い.熱を発生するための筋肉運動が充分でなくそのうえ体温の調節機能が不完全であるから体温を常温に保つことがむずかしい.嗜眠性で泣声も哺乳力も弱い.此のような赤ん坊を上手に育ててゆくためには医師の指示と保健婦の助力指導は勿論のこと,知的でしかも熱心な協力,母親父親,更に家族全体の協力が必要です.その取扱いは赤ん坊が母の胎内で受けるそれにできるだけ近いものでなければならない.そのためには栄養,保温,安靜,感染豫防の項目に重点をおきます.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.