短歌のまどい
「鹿鳴集」のこと
牧 恒樹
pp.42-45
発行日 1954年6月1日
Published Date 1954/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200626
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本誌上には大分前から日本の古美術の解説と鑑賞とが連載されています.皆さんの中には,こうした美術を通じて旧都奈良に深い関心を持たれた方もありましよう.それでは「短歌のまどい」も,その古都奈良をうたつて余りにも名高い歌集「鹿鳴集」のを研究してみましよう.
「鹿鳴集」は昭和15年刊行され,広く世に迎えられました.この中には大正13年春陽堂から刊行されたこ「南京新唱」を始め,南京余唱,山中高歌,放浪唫草,村莊雑事,震余,望郷,旅愁,小園,南京続唱,比叡山観佛三味,九官鳥,春雪,印象と題した小歌集を收め,総歌数332首になつています.作歌年代から云いますと,明治40年から昭和10年頃迄のものになります.著者にはこの他に「山光集(昭和19年)」,「寒燈集(昭和22年)」があり,25年刊の会津八一全歌集」は,読売文学賞を与えられています.
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