今月の言葉
赤坊デフレーシヨン
pp.9
発行日 1954年3月1日
Published Date 1954/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200556
- 有料閲覧
- 文献概要
昨年の出生数は170万台に下る見込であるという.
昭和22年から3年間の赤坊インフレーシヨンの時代にくらべると,1年に約100万人の減少である.ひどい,予想外の赤坊デフレーシヨンが来襲しつつある.アメリカが来て日本の助産婦は程度が低いとか,何とかさわぎ立てていた頃は,日本も赤坊インフレーシヨンの最中であり,馬鹿にされ乍らも,それでも結構いそがしかつた.しかし,アメリカは去つて,刺戟もなくなつた.深刻な赤坊デフレーシヨンの前に,助産婦の厄年がやつて来つつある.この厄年は,冷害の様に来年は立ち直るという見込もないので憂うつである.結局これがいつか来るべき助産婦の運命であつたか.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.