貴女の経済学
簿記のつけ方(1)
渡邊 五郎
pp.58-59
発行日 1953年4月1日
Published Date 1953/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200334
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簿記とは,会計帳簿の記入方法に関する学問である。会計帳簿中一番手近なものは,家計簿であるから,これから糸口を求めて行きたいと思う。
家計の眼目は,收入と支出とのバランスをうまくとることである。即ち,毎日,その月の收入や支出の状況を,よく観察し,どういうふうにしたら,一家の生計を維持し,進んでは,その改善,向上を期することが出来るだろうかと,金銭の繰廻の面から色々思いを巡すことである。されば,家計を切り盛りする一家の主婦--その人が,若し几帳面な人であるならば,收入でも,支出でも,細大漏らさず,その都度,それを記録しておいて,10日目とか,月末とかに,その收支の状況を,よく比較検討し,向後金銭を,あれこれと繰廻す時の参考に供するであろう。このように收支の事実を,その発生の都度記録整理しておくことが,家計簿の役割なのである。
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