書評
—福田正人 監修,笠井清登,鈴木道雄,三村 將,村井俊哉 編集—精神疾患の脳画像ケースカンファレンス—診断と治療へのアプローチ
尾崎 紀夫
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1名古屋大学大学院医学系研究科精神医学・親と子どもの心療学分野
pp.1054
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204071
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担当医が,患者さんの状態についてご本人やご家族に説明する際,検査データや画像を示すのが一般的であるが,多くの精神疾患においては,当てはまらない。
米国国立精神保健研究所(NIMH)のDirector,Tom Inselは,DSM-5発表に際し,「従来一般的であった症状に基づく診断法は,この半世紀,他の医学領域ではすっかり置き換えられた。ところが,DSMの診断は,客観的な検査所見によらず,臨床症状に基づいてなされる状態が続いている。NIMHは診断法を改変すべく,Research Domain Criteria (RDoC) projectを開始した」と,DSM-5に対する不満を表明すると同時に,精神疾患においても検査所見により診断できることを目指すと言明している(Transforming Diagnosis:Director's Blog April 29, 2013)。
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