書評
日本クリニカルパス学会 学術・出版委員会 監修「現場で使える クリニカルパス実践テキスト 第2版」
真田 弘美
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1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻 老年看護学/創傷看護学分野
pp.1103
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202364
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本書『現場で使える クリニカルパス実践テキスト 第2版』では,クリニカルパス(以下,パス)の持つ意義を最大限引き出しながら,活用するための基本的ノウハウから実例を踏まえたヒントまで,実践ポイントがふんだんに盛り込まれている.初版と比べるとパスの組織づくりや運用の実例などの内容がさらに充実しており,これからパスを学びたい人はもちろんのこと,すでにパスにかかわっている医療職にもぜひ手にとっていただきたい一冊である.
パスで重要な点は“患者中心”のアウトカム達成にある.最近入院した友人が見せてくれた入院時の説明の中に,患者用パスが含まれていた.友人は,退院後の予定をあれこれと話し,手術に対する大きな期待を語ってくれた.その話を聞きながら,パスは不安の除去ばかりでなく将来への希望をつなぐ大切な手引きであることを実感した.医療者にとってパスは,最適効率で患者目標を達成し,在院日数短縮をめざすために非常に合理的な方法であることは違いない.ただ,われわれが忘れていけないことを著者らは何度も強調している.誰のためのパスなのか,業務の効率性を優先するのでなく,あらためて患者中心のパスであるという極めて大事なマインドを思い出させてくれる.
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