書評
萩野 昇 著「ロジックで進める リウマチ・膠原病診療」
花岡 亮輔
1
1JAかみつが厚生連上都賀総合病院リウマチ膠原病内科
pp.550
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201337
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◆なぜ医師はリウマチ・膠原病が苦手なのか?
リウマチ・膠原病科について,世間一般の多くの医師は,「難しい!」と考えているようだ.いわく,リウマチ・膠原病科は,難解で抽象的な免疫学の知識を振りかざし,診断や治療がことさら難しい稀少疾患ばかりを扱う診療科ということらしい.
難解なイメージの一因は,扱う疾患がほぼ全て原因不明であることだろう.原因不明である以上,病因学的診断は不可能である.通常は疾患原因と密接に結びついている病理学的診断すら,原因不明の疾患においては絶対的意義を持たない.そのため,リウマチ・膠原病科で扱う疾患の多くは症候学的診断でしか捉えようがない.疾患の存在可能性を高める所見を累積することで診断する.疾患活動性評価も単一のマーカーに頼れない.複数の所見を組み合わせて行われる.
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