Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ニッポンの,みせものやさん」,「見世物小屋 旅の芸人・人間ポンプ一座」―消えゆく見世物小屋の障害者芸人
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.491
発行日 2013年5月10日
Published Date 2013/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110125
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1981年の興業収入ベストワン作品「エレファント・マン」(監督/デヴィッド・リンチ)は,障害者が見世物になっていた19世紀のロンドンが舞台.見世物小屋の看板文字は奇形や異形を意味する「フリークス」.その後,芸人としての誇りをもつ障害者が現れるが,それを捕捉したのが1932年に作られた「フリークス」(監督/トッド・ブラウニング)だ.アメリカでは上映禁止運動が起き,イギリスでは30年にわたり上映が禁止された.日本では,1934年に「怪物団」という邦題で2週間ほど上映されたが,戦後,小規模ながらも公開が実現したのは1980年代.1930年代の障害者芸人が大挙出演した伝説の一作だ.
さて,ここへ来てようやく「ニッポンの,みせものやさん」(監督/奥谷洋一郎・2012年)と「見世物小屋 旅の芸人・人間ポンプ一座」(監督/北村皆雄・1997年)が一挙に上映され,日本における近年の見世物小屋の状況を垣間見ることができた.
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