書評
前川喜平 著―小児リハビリテーションのための神経と発達の診かた
江藤 文夫
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1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.1411
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109964
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本書は小児のリハビリテーションに携わるコメディカルの人々を主な対象として,まとめられたものである.既に教科書としての評価が確立された「乳幼児の神経と発達の診かた」を元にして,子供の発達チェックと神経学的診察の基本がすべて記載されている.
医療は人間相手であるから,誰でも自らの体験に照らして判断することが多い.しかし,乳幼児期の記憶は多くの場合曖昧である.「いつごろ歩き始めたか覚えているか」と問われても困惑する.生後何か月頃から寝返りをして,はいはいをして,歩き始めたかは知識として身につけるものである.兄弟姉妹の多い家庭では弟妹を見ながら,子供ができると毎日観察していたのに乳幼児の発達過程は知識として体系化されない.やはり良いテキストが必要である.
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