脳血管障害 True or False
上肢は下肢よりも回復が悪い?
川本 定紀
1
,
椿原 彰夫
1
1川崎医科大学リハビリテーション医学教室
pp.885-887
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108758
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はじめに
脳血管障害の症状のなかで頻度が高く,リハビリテーションの対象として最も重要なものに運動麻痺がある.特に,脳血管障害によるものの多くは中枢神経障害であり,主として大脳皮質運動野から脳幹の運動神経核や脊髄前角細胞に至る錐体路,すなわち一次ニューロンの障害により起こり,多くは片麻痺の形をとる.
運動麻痺に関する臨床的な経験からは,治療者の多くが,下肢に比べて上肢のほうが麻痺の回復が悪いと認識しているようである.そこで,本稿では,上肢と下肢とで本当に麻痺の違いがあるかどうかについて,過去の報告を併せて考察する.
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