Japanese
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実践講座 ソーシャルワークの技法
6.コミュニティ・オーガニゼーションとリハビリテーション
Community Organization and Rehabilitation.
熊谷 忠和
1
Tadakazu Kumagai
1
1公立高島総合病院
1Department of Social Services, Takashima General Hospital
キーワード:
病院でのソーシャルワーク
,
コミュニティ・オーガニゼーション
,
社会リハビリテーション
Keyword:
病院でのソーシャルワーク
,
コミュニティ・オーガニゼーション
,
社会リハビリテーション
pp.1089-1094
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108002
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はじめに
ソーシャルワークの技法としてのコミュニティ・オーガニゼーション(community organization)について,一般病院におけるソーシャルワーク実践の経験から考察したい.
コミュニティ・オーガニゼーションといえば行政が政策を展開するうえでの手法や社会福祉協議会の活動が連想され,病院のソーシャルワークの方法としての取り込みはあまり馴染まないという印象があるのではなかろうか.
しかし高齢化,疾病の慢性化,障害者の増加,さらに家庭や地域社会の機能変化などにより,医療をとりまく状況が大きく変わりつつある現在,病院はもはや医学的治療のみを提供する場ではなく,幅広く保健福祉活動や地域活動を抱え込まざるをえないというのが実情となっている.
そのなかでソーシャルワーカーの業務内容も貧困層の経済的援助を主とした時代から大きく変化してきている.とくに近年の早期退院,在宅ケア指向のなかで,退院援助や地域活動がソーシャルワーカーの業務のなかで占める割合が大きくなっている.また1989年に厚生省よりだされた「医療ソーシャルワーカー業務指針」においても,退院援助や地域活動は経済的援助や心理社会的援助,受診受療援助とともにソーシャルワーカーの業務の柱としてあげられている.
退院援助や地域活動には当然コミュニティ・オーガニゼーションの知識や技術をもつことが必要となる.本稿においては,病院におけるソーシャルワーカーによるコミュニティ・オーガニゼーションの適用について未熟な実践ではあるが紹介してみたい.
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