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はじめに
リハビリテーション専門職の中で,中心となるべき医師(リハビリテーション医)の教育は他種職(ことに理学療法士,作業療法士)に比べ十分とは言えない状況にある1).リハビリテーション医学教育は,卒前教育および卒後教育に分けられるが,母体となるリハビリテーション医学の講座は現在まで7大学と非常に少なく,同様に十分とは言えない.
日本リハビリテーション医学会では,質の高いリハビリテーション医を育成するために,種々の教育,資格制度を導入してきた2).教育については昭和50(1975)年に卒後医師研修システムが不十分であることに対し,リハビリテーション医の知識レベルの標準化とより全般的な知識を得ることを目的に卒後医師教育研修会が開催され,現在第36回となり継続されている.昭和56(1981)年には卒前教育カリキュラム案が提出され,現在は医師国家試験でのリハビリテーション医学の重要性が増し改正案も検討されている.昭和57(1982)年には卒後研修ガイドラインも示されている(表1)3).資格制度としては,昭和56(1981)年に専門医および認定医制度が制定され(表2,3),さらに昭和62(1987)年に認定臨床医制度が制定されたことに伴い(表4,5),専門医および認定医制度は新たに専門医制度となり,認定臨床医に対し指導医の養成として平成4(1992)年4月1日より改正されることになっている(表7,8,9).それぞれの資格獲得には一定の研修や業績を義務づけており,研修が効果的になされるように研修施設の認定(表10)も行われている.
このようにリハビリテーション医学の卒後教育と認定臨床医制度および専門医制度とは密接な関係があるが,それぞれの制度と教育の実際についてその相違点を明らかにしながら解説をしたい.
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