一頁講座 リハビリテーション関連用語集(8)
動作と活動
福田 道隆
1
1弘前大学医学部附属脳神経疾患研究施設リハビリテーション部門
キーワード:
動作
,
活動
Keyword:
動作
,
活動
pp.843
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106888
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動作について
人間の行動における運動,動作,行為は明確には区別された現象としてとらえられていない.中村1)はリハビリテーション医学モデルと運動の階層性を対応させ,以下のように分類している.
機能障害(impairment)―運動(movement)―物理システム―力学的原理,能力低下(disability)―動作(motion)―生物システム―成長・進化,社会的不利(handicap)―行為(action)―社会的システム・人間―政策・目的・価値
具体的な例として,運動では身体各部分の時間的空間的位置の変化が検討される(例えば,下肢を動かし下肢の交互運動を行う).動作では具体的な課題の遂行エネルギー消費からみた効率,運動技能,疲労などが論点になる(例えば,家から外へ出る).行為では社会的文化的な意味から検討される(例えば,歩いて買い物に行く).一方,DeLisa2)はimpairment-organic dysfunction-skill deficit,disability-difficulty with task-task performance deficit,handicap-social disadvantage-role deficitと対応させている.動作は運動学的にはmotionが使われているが,ADLのようにactivity動作と訳している場合もある.
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