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編集後記
明石 謙
pp.922
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106388
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今月号の特集テーマは「障害者の工学的リハビリテーション」である.私は工学と付き合い始めて少なくとも20年は経つが,いまだに工学の正体がはっきり分かったという感じがない.エンジニアの方々には申しわけないが,何か適当な言葉を持ってきて,その後ろに「工学」の2文字を付ければ工学の一分野ができてしまうような気がする.例えば,「排尿工学」,「発汗工学」,「嚥下工学」などは,リハビリテーションの分野では考えてみてもよいような言葉である.
さて,そのようにリハビリテーション医療では工学の恩恵を大きく受けてきたが,この関係は今後も続くことであろう.障害者が対象のリハビリテーション医療では,当然,工学が障害者の能力や社会的不利の改善につながるような,あるいは機能改善につながるような工夫がいろいろなされてきたが,スポーツなど障害者のQOLを考えた工夫も同時になされていることは大変喜ばしいことである.
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