Japanese
English
症例報告
見過ごされていた片麻痺患者の大腿骨頸部骨折
Incidently Discovered Femoral Neck Fractures in Five Hemiplegic Patient.
岡本 五十雄
1
,
堀口 信
1
,
永倉 靖久
1
,
笠井 康弘
2
,
猫塚 義夫
2
Isoo Okamoto
1
,
Makoto Horiguchi
1
,
Yasuhisa Nagakura
1
,
Yasuhiro Kasai
2
,
Yoshio Nekozuku
2
1勤医協札幌丘珠病院リハビリテーション科
2勤医協中央病院整形外科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kin-ikyo Sapporo Okadama Hospital.
2Department of Orthopedic Surgery, Kin-ikyo Chuo Hospital.
キーワード:
片麻痺
,
大腿骨頸部骨折
Keyword:
片麻痺
,
大腿骨頸部骨折
pp.555-558
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105860
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はじめに
老人が転倒し直ちに起立歩行ができなくなったら大腿骨頸部骨折を考えなければならない1)といわれており,それが分からないまま長期間放置されたままでいることは少ない.
著者らは過去9年間において,片麻痺患者の大腿骨頸部骨折37例(男性16名,女性21名.右片麻痺20名―患側の骨折19名,健側の骨折1名.左片麻痺15名―患側の骨折14名,健側の骨折1名.両側麻痺2名)を経験したが,5例において,この骨折が全く分からないままに数カ月間以上も見過ごされていた(表1).本骨折は,治療されなければ,当然,患者は寝たきり状態となり,廃用症候群2)をひきおこし,リハビリテーションの予後に与える影響は大きく,早期にこれを発見することは極めて重要である.教訓的な内容を含んでいたので報告する.
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