Japanese
English
特集 産業医学とリハビリテーション
腰痛のリハビリテーション
Rehabilitation for Low Back Pain.
堀尾 愼彌
1
Shinya Horio
1
1熊本託麻台病院リハビリテーションセンター
1Kumamoto Takumadai Hospital, Rehabilitaion Center.
キーワード:
姿勢
,
保存的療法
,
予防
Keyword:
姿勢
,
保存的療法
,
予防
pp.437-442
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105836
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はじめに
脊柱の機能は,2つの相矛盾した力学的要素に対応していかなければならない.すなわち,強靱性と柔軟性である.脊柱構造の特性として椎骨が互いに重なり合い,それが強く靱帯や筋で固定されている支持性という機能をもちながら,一方筋や関節によって柔軟に姿勢を変える運動性ももっているのである.
また,脊柱の彎曲は,年齢と共に変形しやすく,二足動物の宿命とさえいわれている.この彎曲は,それに加わった長軸方向の圧力への抵抗力を増加させる.彎曲した柱の抵抗力は,その彎曲の数の2乗に1を加えたものに比例すると言われている1).すると3つの彎曲を有する脊柱はまっすぐな柱の10倍の抗力をもつことになる.その上,動的・静的にも椎間板内圧の変化2)は,我々の日常生活の中で合目的的にはたらいているものと推測される.腰痛治療に際して,脊椎の老化に伴う変性変化やメカニカルストレス(力学的ストレス)が腰痛の発現に大きく関わっていることを理解し,治療や予防対策を行うことが大切となる.
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