Japanese
English
講座 障害者の移動(1)
障害児の移動・介助の方法―乳幼児を中心にして
Transfer Techniques for Handicapped Children.
山形 恵子
1
,
藤本 輝世子
2
Yoshiko Yamagata
1
,
Teruyoko Fujimoto
2
1都立北療育医療センター城北分園
2都立北療育医療センター
1Tokyo Metropolitan Kita Medical Rehabilitation Center Johoku Day Care Clinic.
2Tokyo Metropolitan Kita Medical Rehabilitation Center.
キーワード:
介助移動
,
移動用具
,
補助具
Keyword:
介助移動
,
移動用具
,
補助具
pp.69-77
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105760
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Ⅰ.人間の発達と移動方法の変遷
人間は脳の成熟につれ様々な動きを習得し,やがて二本足で歩行する能力を身につける.図1はPaeone(1983)1)の人間の運動発達を図示している.生後1カ月は,ほとんど随意運動や四肢別々の動き(分離動作)はみられない.しかし腹臥位にすると,顔を一側にまわし,呼吸を続ける能力を身につけている.
生後3~4カ月頃からは,動くものを目で追い,眼前にあるものを凝視し,手に触れれば指を伸ばして物に触れたり握ったりするようになり,迷路性の反射や視知覚刺激などにより,姿勢を様々に変える能力がでてくる.5カ月頃になると,介助で座らせれば,座位姿勢を保持できるようになり,腹這位では左,右への体軸内回転や,胸骨の一点で体を支え,上肢,下肢を同時に床から離し,体をそらせる姿勢(air plain)や胸をつけたまま肘で体を支えたり,両上肢を伸ばし,恥骨部を床につけて体を動かす,回転をするなど,動きが活発にみられるようになる.四つ這い移動やつかまり歩きは10カ月頃からみられ,独り歩きは平均1歳から1歳3~4カ月頃までに可能となってくる.
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