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編集後記
川
pp.1476
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105748
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ショートショートの名手,星新一.子どものころ夢中になって読んだ方も多いのではないでしょうか?製薬会社の御曹司にして,森鴎外の妹の孫,小学校の時から彼の書く文章はあまりにも簡潔で感情表現がなかったために作文の成績が悪かった…….たまたま本屋で手に取った「星新一 一〇〇一話をつくった人」が思いのほか面白く,改めて星新一を読み返してみました.感情を排したテンポのよい文章と見事なオチ,そして風刺のきいたブラックユーモア.大人になって読んでもやっぱり面白い.
さて,少し前,ちょっと気になる研究が紹介された記事をみました.その名も「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」.約1,000の星新一のショートショートを解析し,星新一以上のクオリティの作品を人工知能(AI)を搭載したコンピュータで自動生成するそう.なんだか星新一が書いていそうな話ですが,心情的にはどんなにすばらしい作品ができたとしても,AIが作ったものなんかで感動するもんかと心が抵抗しそうです.ところがなんとその研究ではAIとわからないペンネームでコンテストに応募する予定とのこと.せめてペンネームは「エヌ氏」とかにしていただきたいなあ.
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