Japanese
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特集 障害者の生活関連用具
移乗用機器
Transfer Aids for Quadriplegics.
市川 洌
1
Kiyoshi Ichikawa
1
1東京都補装具研究所
1Tokyo Metropolitan Prosthetic and Orthotic Research Institute.
キーワード:
リフタ
,
移乗用機器
Keyword:
リフタ
,
移乗用機器
pp.677-681
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105444
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はじめに
重度四肢まひ者の在宅リハビリテーションが進むにつれて,種々の機器が障害者に使用されるようになってきた.これらの機器は正確に適用されて始めて有効に使用されるが,重度の四肢まひ者の場合には使用する機器の種類も多く,また障害も個々人によって異なるため,その適用には専門的な知識が要求される.しかしながら,我が国においてはこれらの機器の適用について専門的な知識を有する技術者はきわめて少数であり,いわゆるクリニカル・エンジニア(エンジニアリング・サービスを専門とする技術者)の必要性がいわれている.
これらの機器は障害者の障害程度の相違によっても使用方法が異なるし,障害者の日常生活のしかたによっても機器の仕様・使用方法がまったく異なる.障害者の介助でもっとも重労働を強いられる作業のひとつに移乗の介助がある.これまで,移乗用機器は介助者の労力の軽減化をはかることを目的に使用されてきた.しかしながら,リハビリテーションの究極の目的は自立であり,本来機能代替用機器もその使用によって動作が自立できることを目的とすべきである.四肢まひ者の場合には身体残存機能がきわめて限られており,また,機器の持つ能力も限定されているから,自立使用できる場合はきわめて限定される.移乗用機器も障害者の身体残存機能にあわせた機器の設計が行われれば,自立使用も可能となることが考えられる.ここでは以下に介助用・自立用の移乗補助機器について述べる.
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