書評
―奈良 勲(金沢大学医療技術短期大学部)編―理学療法概論
長尾 竜郎
1
1富山県高志リハビリテーション病院
pp.907
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105285
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我々医療の実践者にとって「概論」とは,もやもやした状況にある我々を,力強い理論や斬新な発想により見とおしをつけさせ,それにより一層使命感や生きがいを感じさせたり,逆にこれではだめだと改革に向け奮いたたせる書物であると考える.その点でもう一歩という感じを持ったのは,筆者が当事者(理学療法士)でないせいかも知れない.
内容を紹介すると,まず第1章で理学療法と倫理・哲学を取りあげたのには感服した.今年度の理学療法学会でも哲学講演を盛りこんだ奈良氏であり,当然のことかも知れない.ただこの章を読みながら哲学を教えることの難しさを思っていた.ここでは「哲学的理学療法」が効果をあげた自験例でも挿入されたらよかったと思う.
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