書評
―G.F. Fletcher・他 著 Exercise and Coronary Heart Disease(第2版) 土肥 豊・他 訳(埼玉医科大学内科)―冠動脈疾患の運動療法
横山 巌
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院
pp.516
発行日 1983年7月10日
Published Date 1983/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104981
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わが国における虚血性心疾患の発生頻度は年々増加傾向にある.それと共に虚血性心疾患に対する世人の関心も高まり,ジョギング人口は増えつつあるが,しかし,一方ではマラソン中の中高年者の急死の報道も跡を絶たない.運動は適切な用い方をすれば優れた治療剤になるが,しかし,用い方を誤れば,身を滅ぼす刃ともなる.リハビリテーションの領域においても虚血性心疾患の比重は次第に大きくなりつつあり,本書の訳者の一人である田村氏によれば,数年前からPT,OTの教育に運動負荷試験を含めた虚血性心疾患のカリキュラムが組み込まれるようになったということである.運動と虚血性心疾患に関する情報は,健常者の運動の指導や,あるいは心臓のリハビリテーション,老人のリハビリテーションに携わるものにとっては必須のものであり,これに関する参考書の要望は極めて強かったにも拘らず,従来,適切な書が極めて乏しかったのである.
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